內容簡介
內容簡介 日本の歴史には怨霊や妖怪が根強くかかわっている。古の文書に不思議な出来事が残されているだけでなく、それらは世の中を動かし、時には歴史さえ変えてきた。また、古の人々は純粋に怨霊や妖怪の存在を信じて、その存在を怖れ、為政者たちはその存在を信じて政治を行い、人々の日々の営みがあり、歴史が紡がれてきたのである。現在放送されているNHKの大河ドラマは、「源氏物語」の作者の紫式部が主人公だが、彼女が遺した作品には多くのモノノケが登場する。彼女は「源氏」をはじめとする登場人物たちがモノノケに翻弄される姿から何を訴えようとしていたのか。藤原家や天皇家の権力闘争のために抹殺されていった者たちの怨みが怨霊となり、それに怯える権力者たちは怨霊や妖怪を鎮めるために神仏を崇め、高僧や陰陽師に調伏を願うが、祟りは鎮まるどころか天変地異や疫病、飢饉は続き、世は荒れ人心も乱れていく。菅原道真、崇徳院、平将門、歴史に語り継がれる怨霊は必ず歴史の節目に現れている。怨みをもった怨霊たちは人間の歴史に介入し、歴史に影響を与えていく。裏を返せば、権力を握った者たちの自責への念や、権力者への市井の民の不満が生み出したのが怨霊や妖怪である。本書は豊富な古典史料を渉猟した著者が、歴史の中の「怨霊」「妖怪」を読み解いたユニークな日本史分析である。【目 次】まえがき序章 「源氏物語」のモノノケと病生き返った紫の上モノノケ調伏の光景出産とモノノケモノノケという病紫の上の病とモノノケ六畳御息所の生霊死霊の訴え紫の上を病ませたもの女三宮の出家心の鬼とモノノケ紫式部の「心の鬼」 一章 怨霊と平安怨霊の登場陰謀と怨霊たち平安への闇路怨霊の祭祀御霊と疫神 二章 愛欲の天狗狙われた染殿后天狗の正体紺青鬼と天狗幽霊の誕生三章 怨霊の軍団化小見出し抜け雷神の道具怨霊の王国四章 聖剣の喪失と新生崇徳院の誓い疎外されていた生涯龍宮へ還るもの新時代の神話新たな剣の物語五章 末法の魅惑 日本の歴史には怨霊や妖怪が根強くかかわっている。それらは世の中を動かし、時には歴史さえ変えてきた。