內容簡介
內容簡介 三島の死には、戦時期から戦後に至る昭和天皇の言動への諌死の意味が込められていた。その死を通して戦後体制の欺瞞の構造を抉る。 《目次》第1章見てはならないものを見た──〈諫死〉に向かう二十五年作家それぞれの〈敗戦〉 神権的な天皇制の〈喪失〉に傷つくアメリカが天皇制を延命させるという〈ねじれ〉 天皇制信仰を告白できない時代誰が「日本精神」の〈根拠〉を取り除いたのか 天皇への愛と憎悪『仮面の告白』での「クイア」の自覚 古典主義の時代──『近代能楽集』禁忌によって燃え上がるエロス 「大義」に殉じる恍惚 諫死、または天皇霊の横領第2章天皇への反歌──『近代能楽集』をめぐって「美しい夭折」を禁じられる 「人生」が滲み込まない「芸術」生きるに値しない世界に生き直す 三島由紀夫と藤田省三蹶起部隊を裏切った「大御心」 美に殉じる詩人の宿命「人間宣言」を発した天皇への反歌『近代能楽集』の主題の反転「美しい死」を断念した「余生」 民主化と国体護持の二つの顔「一筋のみやび」としての二・二六 戦後の終焉が主題化される「アメリカの日本」の下で第3章禁じられたエロスと戦後日本の宿命国粋主義的言動へのうしろめたさ 「大東亜戦争」開戦の「解放感」「恐ろしい日々がはじまるという事実」 禁じられたエロスへの耽溺花田清輝と三島由紀夫 ギリシャで身をもって体験した同性愛「自明性の破壊」という意味での政治性 大江健三郎出現の予兆至高の愛の対象を破壊する 金閣寺は何のメタファか 大江健三郎と三島由紀夫「生ける屍」としての戦後社会 加虐と被虐の「不二」 アメリカの「命じた」自由『家畜人ヤプー』絶賛から忌避へ第4章サド侯爵と天皇裕仁──〈共犯〉から訣別へ対米隷属と「超自我」の喪失 「アプレゲール」と呼ばれた社会現象闇金融、日大強盗、一家虐殺、カービン銃強盗……〈冒険〉が抑え込まれて、そして…… 親米保守勢力と「暗黙の了解」アメリカに奉仕する「買弁天皇制」国家 左翼勢力は戦後体制をどう批判したか一九六〇年に起こったこと 山口二矢の鬱情とその発露『憂国』──浪曼主義への回帰 澁澤龍彥と三島由紀夫サドとの絶対的な結びつきの確信 〈共犯〉の絆、闘う力の源泉「裏切者」アルフォンスと敗戦後の天皇 「人間天皇」への激しい違和感天皇という至福の喪失 「英霊の声」を代行するのか第5章諫死もしくは天皇霊を奪い取ること『英霊の声』を書かずにはいられない地点へ 「人間天皇」を呪詛する怨霊たち怨念は天皇への殺意には至らない 磯部浅一『獄中手記』に見る「怒髪天」皇居占拠の可能性は本当になかったのか 磯部浅一と「道義的革命」三島は弑逆まで視野に入れていたのか 『文化防衛論』が語る「文化概念としての天皇制」「みやび」としての行動へ 「承詔必謹」を否定する道筋最後のライフワーク『豊饒の海』 敵は、戦後体制の全部