內容簡介
內容簡介 けた外れに素晴らしく、とんでもなく面白い!有名無名にかかわらず、とっておきの面白作品を厳選し、73項目・100作品以上から編んだ、はじめての江戸文学事典。同時に本書はめくるめく魅惑の江戸をもっと知りたいという欲求に応える、江戸文学という新世界への入門書です。読むのにも調べるのにも便利で、この1冊で江戸の文学がまるっと楽しめます。本書からあふれ出す、明るく、雄々しく、気高く、やさしく、優雅な、そして、時には卑屈で、脳天気で、意地悪で、怠け者で、しみったれた江戸人たちの息づかいは、読む人を心豊かに幸せにしてくれるはずです。編集は、長島弘明。執筆は、一戸 渉 位田絵美 大屋多詠子 柏崎順子 加藤敦子 神谷勝広 金慧珍 金美眞 黄智暉 合山林太郎 高永爛 小林ふみ子 佐藤かつら 佐藤知乃 佐藤至子 杉下元明 杉田昌彦 杉本和寛 全怡炡 高野奈未 高松亮太 崔泰和 千野浩一 冨田康之 丹羽謙治 早川由美 韓京子 日置貴之 片龍雨 深沢了子 洪晟準 牧藍子 水谷隆之 光延真哉 宮木慧太 矢内賢二 山之内英明 梁誠允 吉丸雄哉。【江戸文学の本質は、〈奇〉と〈妙〉ということばで表すことができます。〈奇〉も〈妙〉も、それを合わせた〈奇妙〉も、不思議な物、珍しい物、普通ではない物、変な物を言うことばです。と同時に、〈奇〉も〈妙〉も〈奇妙〉も、けた外れに素晴らしい物、とんでもなく面白い物、極上の美味い物を指すことばでもあります。 そういう〈奇〉と〈妙〉に溢れた作品を有名無名とりまぜて選び、読める事典として編集しました。各項目は、いわゆる辞書的な記述ではなく、内容がわかるように、また面白さが分かるように書いてありますので、やがてその作品を丸ごと全部読んでみたくなるはずです。】…「はじめに」より【こんな特色】▶とっておきの面白作品、73項目、100作品以上を対象にした事典。▶使い方ガイドを掲載、ビジュアルにも配慮。図版なんと160点掲載。▶「江戸文学を楽しむための用語集」「奇と妙の江戸文学年表」で立体的な理解が可能に。▶事項・人名索引のほか、ジャンル別項目一覧、掲載図版一覧で、調べるのにも便利。 はじめに使い方ガイド1 まじめにふざける【ばかばかしいおもしろさの背後にある、豊かな知識と周到な技巧。有名な古典を使って遊ぶ。格調高い形式に卑俗な内容を盛る。人間そのものの滑稽さをみつめる。江戸文学の〈奇〉と〈妙〉、まずはここから。】1 古典をもじり浮世をえがく 『仁勢物語』『吉原徒然草』(古典のパロディー)2 唐詩選のパロディー三部作 『通詩選笑知』『通詩選』『通詩選諺解』(狂詩)3 俳諧師は水滸伝の豪傑?! 『俳諧水滸伝』(俳諧逸話)4 大人向けの昔話 『桃太郎後日噺』『親敵討腹皷』(黄表紙)5 千手観音の「手」のゆくえ 『大悲千禄本』(黄表紙)6 自称「家宝」の自慢合戦 『たから合の記』『狂文宝合記』(狂文)7 実用書の顔をした戯作 『小野字尽』(滑稽本)8 みやびやかに語る卑俗な笑話 『しみのすみか物語』(噺本)9 笑いで処世訓を学ぶ―落語の源流 『醒睡笑』(笑話集)10 どこかにいそうな変人たち 『世間子息気質』『世間娘気質』『浮世親仁形気』(浮世草子)11 愛すべき奇人たち 『近世畸人伝』(伝記)2 見る・観る・視る【江戸文学は、みる楽しみに満ちている。挿絵を読み解く。文字を見る。装丁を楽しむ。舞台に目を奪われる。資料をみつめる。造本様式に目をこらす。みるほどに魅せられる〈奇〉と〈妙〉の世界。】12 響き合う絵と句 『安永三年蕪村春興帖』(俳諧)13 絵文字・異訓・当て字・奇字 『粘飯篦前集』(俳諧)14 紙上に咲き匂う花々 『花見次郎』と風状歳旦帖(俳諧)15 和歌で傘、和歌ですごろく 『六帖詠草』(和歌)16 文様で遊び尽くす 『小紋新法』『小紋雅話』(滑稽本)17 めくる楽しみ―仕掛け本 『本朝酔菩提全伝』『早替胸機関』(読本・滑稽本)18 薄墨が物語を深くする 『邯鄲諸国物語』『
作者介紹
作者介紹 長島弘明1954年、埼玉県生まれ。1976年、東京大学文学部国語国文学科卒。1980年、東京大学大学院博士課程中退。実践女子大学専任講師、名古屋大学助教授、東京大学大学院教授を経て、現在、二松学舎大学特別招聘教授。専攻は日本近世文学。主な著書に、『建部綾足全集』(共編著、国書刊行会、1986〜1990年)、『上田秋成全集』(共編著、中央公論社、1990年〜)、『上田秋成』(新潮古典文学アルバム20、編著、新潮社、1991年)、『雨月物語の世界』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、1998年。初版『雨月物語 幻想の宇宙』(上・下)NHK出版、1994・1995年)、『古典入門 古文解釈の方法と実際』(共編著、筑摩書房、1998年)、『秋成研究』(東京大学出版会、2000年)、『本居宣長の世界 和歌・注釈・思想』(編著、森話社、2005年)、『国語国文学研究の成立』(編著、放送大学教育振興会、2011年)、『名歌名句大事典 歳時・人・自然』(共編著、明治書院、2012年)、『上田秋成の文学』(放送大学教育振興会、2016年)、『雨月物語』(岩波文庫、校注、岩波書店、2018年)など。