內容簡介
內容簡介 文豪と美貌の「文学夫人」の秘められた恋 芥川龍之介が死去したのは昭和2年(1927)7月24日。死後90年の節目にあたる2017年7月に、芥川の「最後の恋人」とひそかに語られている歌人、片山廣子を主人公とした小説を刊行いたします。14歳年上の上流夫人で、アイルランド文学翻訳者としても名を知られていた廣子と芥川の軽井沢での出会い、そして情熱的な手紙のやりとり。廣子の娘と堀辰雄の成就しなかったロマンスをサイドストーリーに、誇り高く情熱を胸に秘めた「幻視者」廣子の人生を、女性作家の視点で活写する渾身の書き下ろし長編です。 芥川が「才知の上にも格闘できる女に遭遇した」(「或阿呆の一生」)と書き、菊池寛が「最もすぐれた日本女性」とその才能を絶賛した廣子は、芥川の死後世間との関わりを絶ってひっそりと生きますが、最晩年にエッセイ集と歌集を刊行して高い評価を受け、79歳で亡くなります。女性のみごとな生き方のひとつの例として、片山廣子の人生は私たちに一筋の光を当ててくれます。 【編集担当からのおすすめ情報】 芥川と片山廣子をめぐっての公開イベントを計画中です。 第一章 死ぬことを恐ろしきやうに思ひはじめ一二歩われは死に近づける 昭和二年第二章 生死にかかはりあらぬことながらこの十日ほど心にかかる 大正十三年第三章 待つといふ一つのことを教へられわれ髪しろき老に入るなり 大正十四年~大正十五年 昭和元年 第四章 よわりはてすべてものうくなりし時涼風ふきてわれを生かしぬ 大正十二年第五章 四十路すぎわれ老いたりと思ひしも遥けくふるき物語なる 昭和三年~第六章 心狂ひ君をおもひし其日すら我が身一つをつひに捨て得ず 昭和二十年~第七章 ほほゑみて静かにものをいひし人いまわが側にゐるとおもはむ 昭和二十五年~第八章 遠くまでわが夢はわれを誘ふなり混乱の世にうつしみを置き 昭和二十七年第九章 一つの夢みたされて眠る人の如くけふの入日のしづかなる色 昭和二十八年~終章あとがき参考文献