內容簡介
內容簡介 制度で読み解く帝国史オスマン帝国は十四世紀初めにアナトリア辺境に現れ、一四五三年のコンスタンチノープル征服を契機に体制を確立した。スルタンを頂点とする統治は、イスラム法と世俗法を並立させ、奴隷出身の官僚や軍人を登用し、宗教的少数派を共同体として包み込むなど、多様な人々と文化を制度に組み込んだ。本書は従来の概説とは異なり、国家体制・社会・経済に踏み込み、硬直化や経済の特質、民族・宗教の多様性と文化の広がり、十九世紀の社会変容に光を当てる。さらにヨーロッパ史と一体的に描き出し、「似て非なる」発展の姿を示すことで、単純な衰退論やヨーロッパ中心の見方、ナショナリズムによる解釈を退ける。一九八〇年代以降の史料公開やデジタル化による研究の進展を背景に、オスマン帝国史の新しい姿と今後の可能性を提示する意欲的な一冊である。 これまでの衰退論を問い直し、制度と統治構造の変遷を中心に、オスマン帝国成立から衰退まで600年の歴史を辿る。
作者介紹
作者介紹 エテム・エルデム1960年生まれ。プロヴァンス大学(フランス)にて博士号。ボアジチ大学(イスタンブル、トルコ)やコレージュ・ド・フランス(フランス)にて教育研究に従事。専門はオスマン帝国近代史。著書に『18世紀イスタンブルにおける英・オスマン通商(French Trade in Istanbul in the Eighteenth Century)』(1999)、『イスタンブルにおける死(Death in Istanbul)』(2005)、『オスマン・ハムディ・ベイ事典(Osman Hamdi Bey S?zl???)』(2010)、『歴史の交差点としてのアルハンブラ(Alhambra at the Crossroads of History)』(2024)などがある。鈴木光子1938年生まれ。東京外国語大学フランス語科卒業。フランス郵船、スイス政府観光局を経て、作家・翻訳家に。著書に『世界歴史紀行・スイス』(読売新聞社、1987)、『スイス・アルプス花の旅――アルプスの名花を訪ねて牧歌の里へ』(講談社、1995)、『スイスを旅する会話』(三修社、2004)、訳著にアンヌ・ドゥリア『いとしのエラ――エラ・マイヤールに捧げる挽歌』(BOC出版部、2009)、エティエンヌ・バリリエ『ピアニスト』(アルファベータ、2013)、エティエンヌ・バリリエ『さらばピカソ!――画家ゴッドワードの日記』(アルファベータブックス、2017)、カミーユ・ゴルジェ他『駐日スイス公使が見た第二次世界大戦』(大阪大学出版会、2023年)などがある。林佳世子1958年生まれ。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。専門はオスマン帝国社会史。著書に『オスマン帝国500年の平和』(講談社学術文庫、2016)、『オスマン帝国の時代[世界史リブレット]』(山川出版社、1997)、編著に『西アジア・南アジアの帝国 16~18世紀[岩波講座世界歴史13]』(岩波書店、2023)、『西アジアの歴史』(放送大学教育振興会、2024)、共編著に『記録と表象――史料が語るイスラーム世界』(桝屋友子と共編、東京大学出版会、2005)、『イスラーム書物の歴史』(小杉泰と共編、名古屋大学出版会、2014)などがある。