內容簡介
內容簡介 映画『ボイジャー』原作世界40カ国で翻訳刊行されている傑作巨匠フォルカー・シュレンドルフ監督の映画 『ボイジャー』(VOYAGER)の4Kレストア版が、今年6月から東京・シネマート新宿、Stranger、恵比寿ガーデンシネマ他、全国で順次公開される。主演はサム・シェパード、ジュリー・デルピー。これにあわせて原作をUブックスで刊行する。本書は、スイスの作家マックス・フリッシュの名を一挙に世界的に高めた小説で、世界40カ国で翻訳刊行されている。50歳を超えた有能な技師ウォルター・フェイバーは、ユネスコの仕事で世界を飛び回っていた。パリに向かうため豪華客船で大西洋を渡る途中、芸術を愛する女学生エリザベスと出会う。技術だけを信じ、芸術に無関心なフェイバーは好奇心旺盛な彼女に戸惑いながらも、次第に強く惹かれていく。パリ、ローマと旅をともにするうちに2人は心を通わせ、深く結ばれる。しかしエリザベスには、フェイバーの運命を大きく揺るがす秘密があった……映画を観た訳者の中野孝次が、映画が原作に忠実につくられていることを高く評価し、「映画を観てあらためてフリッシュが人間の根源に関わるテーマをいかに深く?んでいたかを考えさせられた。原著は1957年に出版されたのに、いまだに少しも古びないテーマをこの小説で描ききっている。シュレンドルフ監督はその本質をよく理解して映画にしているのである」と訳者あとがきに記している。巻末にマックス・フリッシュの年譜、管啓次郎の解説を付す。 50代の技師フェイバーは船上で女学生エリザベスと出会い、運命の悪戯が二人を導いてゆく。映画『ボイジャー』原作。解説:管啓次郎
作者介紹
作者介紹 マックス・フリッシュ1911年、スイスのチューリッヒに生まれる。スイスを代表する作家・劇作家。1930年よりチューリッヒ大学でドイツ文学を学ぶが、建築家であった父の死により2年で退学、36年、チューリッヒ工科大学に入学、建築を学び、建築士となる。42年、同級生と結婚し、建築事務所を開く。翌年から小説の発表を始め、文学と建築の二足の草鞋を履く。50年代から60年代にかけて発表した小説『ぼくはシュティラーではない』(54年)、『アテネに死す』(57年)、『わが名はガンテイバイン--鏡のなかへの墜落』(64年)などにより大きな名声を得て世界的な作家の地位を確立する。小説のほかに『アンドーラ』(61年)などの戯曲やルポルタージュ、エッセイ、日記なども多数発表。91年、本書が原作の映画『ボイジャー』(フォルカー・シュレンドルフ監督)の試写を観たのち、この世を去った。本書『アテネに死す』は、世界40カ国で翻訳刊行されている。中野孝次1925年、千葉県生まれ。東京大学文学部独文科卒業。作家・ドイツ文学者・評論家。92年に『清貧の思想』を刊行し、ベストセラーとなる。著書『ブリューゲルへの旅』で日本エッセイスト・クラブ賞、『麦熟るる日に』で平林たい子文学賞、『ハラスのいた日々』で新田次郎文学賞、『暗殺者』で芸術選奨文部大臣賞受賞。訳書『ぼくはシュティラーではない』、『わが名はガンテイバイン--鏡のなかへの墜落』(ともにマックス・フリッシュ著、白水社)ほか。1993年から2004年まで神奈川文学振興会理事長を務めた。2004年死去。