內容簡介
內容簡介 「アジアの少なからぬ地域では一党独裁や軍事政権、非寛容の政教一致が人々を不当な抑圧状態に置いているため、一見したところ何もかもが自由なように見える日本に比べ、はるかに困難な状況のなかで人間が生きることを強いられている。ではわれわれはなぜ、そのようなより過酷な生活から生まれてきたアジア映画を観ようとするのか。それは端的にいって、自分たちよりも強い人間を見たいからである。アジア映画がわれわれに訴えかけてくるのは、それが娯楽アクションであれ、メロドラマであれ、近代史を批判する社会派作品であれ、そこには自分たちよりもはるかに強く忍耐と寛容に満ちた人間たちの生き方が描かれているからに他ならない。強い悲嘆を知る者は、同時に強い歓喜を体験できる者でもある。困難な社会のなかで自分たちとはいったい何者であるかという問いを間近に突きつけられ、それに真剣に答えようとする人間が描かれているとき、そのフィルムは思いがけない強度を獲得する。よく探求する者はより大きな自由に到達する。より深い心の慰めを体験する。」(「アジア映画を観るということ」より)過剰なまでの混沌と豊饒に魅惑されつづけた、60年に及ぶ身体的思考の集成。 アジア映画の過剰なまでの混沌と豊饒に魅惑され、その世界に踏み入ることで理解を試みてきた著者の、60年に及ぶ身体的思考の集成。
作者介紹
作者介紹 四方田犬彦1953年、大阪府箕面に生まれる。東京大学文学部で宗教学を、同人文系大学院で比較文学を学ぶ。長らく明治学院大学教授として映画学を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、清華大学(台湾)、中央大学校(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任。現在は映画、文学、漫画、演劇、料理と、幅広い文化現象をめぐり著述に専念。アジア映画論の著作に『電影風雲』『怪奇映画天国アジア』(白水社)、『ブルース・リー』(ちくま文庫)、『アジア映画の大衆的想像力』(青土社)、『アジアのなかの日本映画』(岩波書店)、『日中映画論』(倪震と共著、作品社)、『ポスト満洲 映画論』(編著、人文書院)がある。映画論には『パゾリーニ』『ルイス・ブニュエル 増補改訂版』(作品社)、『ゴダール、ジャン=リュック』(白水社)、『無明 内田吐夢』(河出書房新社)、『大島渚と日本』(筑摩書房)などがある。翻訳にパゾリーニ『パゾリーニ詩集 増補新版』(みすず書房)、ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』(ちくま文庫)、サイード『パレスチナへ帰る』(作品社)。共編著に『ゴダール・映像・歴史』(産業図書)。