內容簡介
內容簡介 人はなぜ過去の記録を調べ、探し、記録するのか。江戸の人たちは、地名や風俗、慣習、年中行事まで、往事の事物を探究し、ひと昔前の江戸の土地と暮らしのすがたを克明に調べあげ、書き残した。それは何のためか。なぜ人はいにしえのものに惹かれてしまうのか。アイデンティティの確認として、作品世界の羅針盤として、新たな創作の起源として、過去の記憶は人々の生活に息づくようになるのである。江戸、そして東京から好古の営みの歴史を繙いていく書。執筆は、小林ふみ子・中丸宣明・神田正行・出口智之・大塚美保・真島 望・佐藤 悟・金 美眞・有澤知世・阿美古理恵・稲葉有祐・多田蔵人・合山林太郎・関口雄士。【災害の多い日本列島で、この都市は、大地震や洪水、高潮にたびたび見舞われただけでなく、海外の大都市に較べると、木造建築が圧倒的多数を占めたために火災に対しても脆弱であった。しかも、さきに記したように歴史が比較的浅く、残すべきモノゴトが数百年のうちに集中していた。そのなかで記録、記憶・口碑、また残された事物を最大限に活用し、風俗や慣習に至るまですべてを書きとめ、あるいは再現しようとし、またそれらを生かして新たな世界を築きあげようとした、それが江戸東京流の記憶のとどめ方であったのではないか─そんな見通しのもとに本書を読みすすめていただきたい】はじめにより はじめに ●小林ふみ子(Ⅰ 知識を集め地理をひもとく)Chapter1江戸の歴史のたどり方─考証の先達、瀬名貞雄・大久保忠寄と大田南畝●小林ふみ子1 考証随筆の成立まで2 文事の旗本たち3 瀬名貞雄・大久保忠寄の交渉と考証、そして南畝4 『新編江戸志』増補改訂作業5 山東京伝の考証へ6 おわりにChapter2「長禄江戸図」と馬琴の地理考証─「神宮」をめぐる混乱●神田正行1 はじめに2 「長禄図」の素性と伝播3 『八犬伝』の「かには」4 おわりにColumn江戸回顧の時代と文学者の地誌─幸田露伴「水の東京」の試み●出口智之Chapter3鴎外歴史文学の〈江戸〉像─時間・空間の語りかたに注目して●大塚美保1 はじめに2 時間・空間の特徴的な語りかた3 存在証明としての時間・空間4 時が積み重なる場所─結びにかえて(Ⅱ 風俗や慣習の由来を探る)Chapter4新興都市江戸の事物起源辞典─菊岡沾凉『本朝世事談綺』考●真島 望1 はじめに2 『本朝世事談綺』について3 典拠と利用態度4 「江戸」へのまなざしとその影響5 おわりにChapter5七兵衛という飴売り─柳亭種彦の考証随筆『還魂紙料』●佐藤 悟1 柳亭種彦2 千年飴と千歳飴3 浮世草子に見る千年飴4 俳諧に見る千年飴5 歌舞伎に見る千年飴6 浄瑠璃に見る千年飴7 若千年は七兵衛かChapter6失われた端午の節句「印地打」─日本人と朝鮮人のまなざしから考証する●金 美眞1 はじめに2 朝鮮通信使と日本の年中行事3 日本人が見た端午の節句─「印地打」から「菖蒲打」への推移4 朝鮮人が見た〈江戸〉の端午の節句─「印地打」をめぐって5 おわりにColumn
作者介紹
作者介紹 法政大学江戸東京研究センターhttps: edotokyo.hosei.ac.jp 小林ふみ子法政大学教授。専門は日本近世文学。主著に『へんちくりん江戸挿絵本』(集英社インターナショナル、2019年)、『大田南畝 江戸に狂歌の花咲かす』(岩波書店、2014年)、近年の論文に「文政期前後の風景画入狂歌本の出版とその改題・再印─浮世絵風景版画流行の前史として」(『浮世絵芸術』179号、2020年)、「狂歌に文芸性はあるのか」(『古典文学の常識を疑うⅡ』勉誠出版、2019年)がある。中丸宣明法政大学教授。専門は日本近代文学。共著に『コレクション現代詩』(おうふう、1990年)、校注に『政治小説集 2(新日本古典文学大系 明治編 17)』(岩波書店、2006年)、同第3巻(岩波書店、2013年)、『円朝全集』第11巻(岩波書店、2014年)、編著に『コレクション・モダン都市文化』第67巻(ゆまに書房、2011年)がある。