內容簡介
內容簡介 「住友生命いずみホール」開館から30年、音楽ディレクターとして演奏会企画を牽引。ホール運営の現場に飛びこんだ世界的バッハ学者は、聴衆にどんな音楽体験を提供しようとしたのか──。没後2年、初のエッセイ集でたどるコンサートホールと音楽学者の協働の軌跡。「音楽に引き込まれ、全身耳になるような状態で没入したときの経験は、 いつまでも心に残り、追憶されるだろう。 そうした場を提供することにこそ、コンサートホールの役割がある」 ──礒山 雅(1946?2018)1990年4月、大阪に誕生したクラシック音楽専用ホール「いずみホール」(現・住友生命いずみホール)が、開館にあたって音楽面のトップとして招いたのは、コンサートの現場に精通したプロデューサーではなく、ひとりの音楽学者だった。日本を代表する音楽学者でJ.S.バッハ研究の国際的権威として知られた礒山雅(元国立音楽大学招聘教授、日本音楽学会元会?)が、2018年不慮の事故により逝去するまで約30年間にわたって、音楽ディレクターとして展開したいずみホールとの協働は、コンサート・プロデュースとアカデミックな研究が切り結び、まったく新しい価値が生み出される音楽のフロンティアとなった。本書は、礒山がいずみホールの情報誌『Jupiter』の巻頭に、創刊号から毎号したためた馥郁たる名文を集成したエッセイ集であると同時に、同誌編集長の森岡めぐみを中心に、住友生命いずみホールの協力により、礒山とホールとの協働を振り返り、「音楽学者がコンサートホールの音楽ディレクターをつとめ、演奏会をプロデュースする」という、これまで日本では例のなかった試みがどのように展開されたのか、立体的に浮かび上がらせた異色の書である。礒山没後、2020年にまでわたる「礒山雅・いずみホール企画年表」も掲載。 住友生命いずみホールの演奏会企画を牽引した音楽学者が、同館情報誌に寄せたエッセイを集成。音楽学者とホールとの協働の軌跡。