內容簡介
內容簡介 本書は書き損じも含め、大切に保管されてきた不染鉄からの絵はがきをまとめたものである。それらは晩年一人暮らしとなった画家によって、夜更けに、奈良の小さなあばら屋で親しい知人に向けて書かれた。不染鉄のまなざしは、つつましい暮らしの日常や庭先の自然へ注がれ、やがて画室を越え、かつて暮らした伊豆大島の海辺の日々、幼い頃の思い出にまで届いてゆく。150通を越える絵はがきに綴られた絵と文章について、「これはあなたを世の中の的として放つ矢なんで個人の通信文ではない」と自身が私信で語ったように、個人への便りの形をとりながらも、人間・不染鉄の人生感がにじむ魂の記録でもあり、不染鉄からすべての人の心に宛てた便りである。
作者介紹
作者介紹 不染鉄 1891(明治24)年、東京生まれ。 小石川の光円寺住職であった不染信翁と母・梅田かの子の間に生まれる。 幼少期は複雑な家庭環境からか、素行の悪さで周囲を困らせ、千葉の漁村の寺に修行に出されたりもするが、20歳前後で両親を亡くす。 絵の道に進むとを決め、1914(大正3)年、23歳で日本美術院研究会員となる。 制作に邁進するも才能と将来に不安を抱え身を持ち崩し、その頃出会った妻とともに伊豆大島へ渡る。悪天候のなかたどり着いた漁村・岡田村で温かく迎えられ、漁師のまねごとをして3年程暮らす。 その後、美術研精会で《秋声》が佳作に選ばれたのを機に京都へ移住し、京都市立絵画専門学校日本画科予科に入学。 以降、帝展での受賞が続き、1923(大正12)年、京都市立絵画専門学校本科を首席卒業。上村松篁とは親しく、長く交流が続いた。 やがて住まいを奈良へ移し、帝展への出品を中心に制作を続けていたが、1946(昭和21)年、初代理事長が戦後の公職追放にあったため、かわりに奈良県正強中学校の2代目理事長に就任し、その後、校長となる。 退職後、67歳で妻を亡くし、市内の知人の好意で敷地内に小さな家を建て暮らす。 1976(昭和51)年2月28日、84歳で直腸がんのため死去。 1996(平成8)年、奈良県立美術館で開催された20年記念特別展を経て、没後40年の2017(平成29)年、東京ステーションギャラリーと奈良県立美術館の2カ所巡回で、回顧展を開催し、大きな反響を得た。