內容簡介
內容簡介 本書の物語を貫く問題意識は人種差別である。40年に及ぶ著者の弁護士としてのキャリアを通じて経験した、有色人種に対するアメリカの司法制度に内在する差別を浮き彫りにする事件の推移や裏事情を書き記した。不条理で構造的な人種差別に直面しながらも、果敢に権力に立ち向かう人々とそれを支えた法廷弁護士たちの涙あり笑いありの珠玉の物語である。アメリカには、黒人に限らず有色人種に対する白人による構造的な差別が存在する。法制度のうえでは、アメリカ合衆国憲法の下で「法の下の平等」が高らかに謳われている。しかしながら、実際には、司法へのアクセスや事実審理の場での根強い偏見、差別意識が厳然として存在している。そして、それが、あたかも当然の前提であるかのように市民にも浸透している。アメリカにおいて陪審裁判を担うのは、一般の市民である。当然に、市民の間に浸透している差別意識と被差別意識とがある。いかに制度的に偏見を有する者を陪審員から排除する方法を考案したとしても、市民の意識の中に深く根を下した差別意識を取り除くことは容易なことではない。著者は、陪審裁判がさまざまな弊害を抱えた刑事司法制度であることを認めながらも、その枠内で可能な限り「真実」と「正義」に到達するために多くの創意工夫を試みる。そして、弁護技術ではなく、人間としてのありのままをさらけ出して陪審員を説得することが最も「真実」と「正義」にたどり着く道であるという教訓を強調する。本書には、原著にはない多数の注釈を加えた(特に、わが国とは異なる法制度や法律用語については簡単な解説を書き加えた)。本書全体を通読すれば、民事・刑事を問わず、アメリカの陪審制による事実審理の流れがおぼろげながらでも理解できるであろう。
作者介紹
作者介紹 リチャード・ズィトリン著者:リチャード・ズィトリンカリフォルニア州とニューヨーク州の弁護士資格を有しており、40年以上の間、殺人事件から製造物責任訴訟や弁護士懲戒事件に至るまで50件を超える陪審裁判を担当。実務家弁護士としての経歴と並行して、ロースクールにおいて40年以上にわたって法曹倫理を、また、数年間、法廷弁護実務を教えてきた。著書に『アメリカの危ないロイヤーたち―弁護士の道徳指針』(現代人文社、2012年)など。また、ニューヨーク・タイムス、ロサンゼルス・タイムスやサンフランシスコ・クロニクルなどの新聞からナショナル・ロー・ジャーナル、スポーティング・ニュースやNINEという野球の歴史と文化に関する雑誌に至るまで、100を超える記事が定期刊行物にて広く掲載されている。村岡啓一訳者:村岡啓一(むらおか・けいいち)1950年12月生まれ。1974年3月一橋大学法学部卒業、同年4月最高裁判所司法修習生(第28期)。1976年4月弁護士登録(札幌弁護士会)。2001年7月一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了(法学博士)。2002年4月一橋大学大学院法学研究科教授兼法学部教授。2007年4月一橋大学法科大学院長。2010年4月一橋大学大学院法学研究科長兼法学部長。2016年4月白鴎大学法科大学院教授。2017年4月白鴎大学法学部教授。2021年4月から学校法人白鴎大学参与(法律顧問)、弁護士再登録(栃木県弁護士会)にて現在に至る。専門は刑事法(刑事訴訟法、刑事弁護実務)、法曹倫理。主要論文に、「情況証拠による事実認定論の現在」『村井敏邦先生古稀記念論文集 人権の刑事法学』所収(日本評論社、2011年)、「2016年改正による新制度下での弁護人の役割と倫理」刑法雑誌59巻3号(2020年)400頁などがある。訳書として、『なんで、「あんな奴ら」の弁護ができるのか?』(現代人文社、2017年)などがある。