內容簡介
內容簡介 ギボンは『ローマ帝国衰亡史』で、彼のいう「ギリシア人」つまりビザンツ人の「臆病と内紛」を強調した。地図からビザンツが消えてしまった理由として、ビザンツ人に何かしら欠陥があったという認識は、今日でも残っている。多くの敵を打ち破るため軍団を整備すべき時に、教義論争や教会装飾にかまけて、政治・経済の現実を無視したというのだ。だが、もし本当にビザンツ人が怠惰で無気力だったとしたら、なぜビザンツ帝国はあれほど長く存続したのだろうか。アレクサンドロス大王をはじめ、カリスマ的な開祖が死ぬとたちまち瓦解してしまった支配が歴史上にはしばしばみられる。しかもビザンツは、アジアやアラビア半島から人の波が西へと移動していく、いわば「民族のボウリング場」の端に位置していた。ある集団を軍事力で打ち破ったところで、新たに三つの集団が現れた。ここでは、まったく新しい考え方が必要だったのだ。ゆえに問うべきは、なぜビザンツが滅びたかではない。なぜ不利な条件のもとで存続できたかなのだ――。本書は、おもな皇帝と印象的なエピソードを軸に、対外関係からビザンツ史を語る試みである。 不利な条件下にありながら、なぜ長きにわたり存続できたのか。おもな皇帝と印象的なエピソードを軸に、対外関係からビザンツ史を語る
作者介紹
作者介紹 ジョナサン・ハリスJonathan Harrisロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校ヘレニック・インスティテュート教授(ビザンツ史専攻)。ビザンツと西欧の関係、とくに十字軍、イタリア・ルネサンス、1453年以降のギリシア人ディアスポラを専門とする。著書は他に『ビザンツ帝国の最期』(白水社)など。井上浩一京都大学文学部卒、同大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、大阪市立大学名誉教授主要著訳書:『生き残った帝国ビザンティン』(講談社学術文庫)、『ビザンツ皇妃列伝―憧れの都に咲いた花』(白水Uブックス)、『歴史学の慰め――アンナ・コムネナの生涯と作品』(白水社)、『私もできる西洋史研究――仮想(バーチャル)大学に学ぶ』(和泉書院)『世界の歴史(11) ビザンツとスラヴ』(共著、中公文庫)、ハリス『ビザンツ帝国の最期』、ヘリン『ラヴェンナ――ヨーロッパを生んだ帝都の歴史』(以上、白水社)