內容簡介
內容簡介 19世紀は「社会システム」変動の時代だ!スペインの王位継承をめぐり1833年から1876年まで続いたカルリスタ(カルロス支持派の意)戦争。本書の主眼は、近代国家形成過程における「社会」と「国家」とのせめぎ合いである。従来、旧体制から新体制、あるいは経済的には、封建制から資本主義制への移行として単に理解されてきたが、この戦争の特徴は、それまでの地域社会(共同体) が変容を迫られたことにある。とりわけ、国民国家の誕生による国民民族( ネーション) という概念が成立し、国民主権概念が出現したこと、そして地域共同体が旧社会あるいは旧体制の範疇に属するものと見なされ、国民国家あるいは新体制において地方自治体として再編されたことが、その特徴である。そのため国民国家と市場経済のセクターによる二元構造がつくられ、地域社会が担っていたコミュニテイとしての活動が一時否定されたが、地方共同体はその後も消滅することなく社会セクターとしての機能を果たしつづけることとなった。たとえばスコットランド、カタルーニア、ケベックなどの独立問題、中東地域における諸国家の内戦や流動化は、改めて国民国家の有効性を問うている。その有効性を再検討するために、カルリスタ戦争史は一つの示唆を与えてくれる。上記の通り、スペインでは19世紀の国民国家の成立過程において、地域社会は地方自治体として再編されたわけだが、それはブルジョア的ヘゲモニー社会との妥協的施策であった。その最大の矛盾は、農村社会をブルジョア的ヘゲモニーで資本主義制度に包摂できなかったこと。そして常に社会とりわけ農村社会はブルジョア的制度によっては完全に取り込めないものとして残ったことである。スペインの国民国家の成立は、帝国主義国家の成立の前段として不可欠なものであったが、そのとき地域主義や連邦主義とのせめぎ合いが生じ、国家と社会の対立という図式における国家主権と地域主権との対立は長く続いたのである。19世紀のブルジョア革命は、本質的に身分間における闘争ではなく、ブルジョアジーに転換した新興ブルジョアジー内部におけるヘゲモニー争いであり、それは地域的相違に基づく「内戦」であったのである。本書では、国家と地域社会の相克という 【内容】(1)スペインの国民国家成立過程とカルリスタ戦争(2)前史としてのスペイン継承戦争とナポレオン戦争(3)第1次カルリスタ戦争(1833-1839)(4)イサベル2世の結婚と第2次カルリスタ戦争 (1846-1849)(5)名誉革命(1868) と民主派の6年(1868-1874)(6)共和制からブルボン王制復古(1873-1874)(7)第3次カルリスタ戦争(1872-1876)(8)スペインにおける市民的協同と労働運動の発展(9)マルクスのカルリスタ戦争観(10)バスク民族主義(11)ガウディとカタールニア主義(12)カルリスタその後